人はみんな平等に死を迎えます。
不死身の人は今の所存在しません。
そしていつその死が身近で起こるかはわかりません。
元気だった人が急に病気で、事故で、なんてことはありうることです。
そして、いつ自分が喪主やそれに準ずる位置に立つことになるかもわかりません。
困ったことに、喪主のやり方なんて学校でも習いませんし、誰かが事前に教えてくれるものでもありません。
葬儀会社の人に助けてもらいながらやるしかありません。
でも、最低限の知識と基礎はできるならば知っておきたいものですよね。
そんな知っておきたいお葬式のこととして「精進落し」というものがあります。
聞いたことある人もいるのではないでしょうか。
そして「精進」という単語から「精進揚げ」を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。
精進揚げはお葬式関係あるのでしょうか?そして、精進落しとはどういうものなのでしょうか?
目次
人が亡くなってからの流れ
まず、亡くなってからの流れをざっくりと確認していきましょう。
ほとんどの方が病院で亡くなられると思います。
そうすると病院から葬儀社が決まっているか確認されます。
決まっている場合はその旨を伝え葬儀社に連絡します。
決まっていない場合、病院から紹介してくれることがほとんどです。
悲しいですが、病室や霊安室にいつまでも置いておくことが出来ないからです。
すぐに動かなくてはいけません。
それから葬儀社が御遺体をご自宅、もしくはご自宅がダメな場合は直接斎場に安置をお願いします。
それから葬儀社と御遺族とどこかのお寺の檀家であるならそこのお坊さんのと葬儀の打ち合わせをします。
斎場の空きやお坊さんの予定、また御遺族や親族の予定など色々ありますが、大体数日中にやることになります。
日程が決まったら葬儀社の方と予算などの打ち合わせです。
辛い中ではありますが、悠長なことは言ってられません。気をしっかりと持って打ち合わせをします。
それから関係各所に通夜・告別式の連絡を入れます。
家族内では当日の担当を決めます。
誰が挨拶をするとか受付はどうするとか、遺影は誰が持つとかそういう細かいことです。
そして通夜の日を迎え、次の日に告別式を行います。
ここでの中身は省きます。ある程度の年齢であれば一度は行ったことがあるはずです。
さて、今度は亡くなった方視点です。
仏教では人は亡くなると7日ごとに関所を通るとされています。
最初の7日目が初七日です。
本当はここから7回目の四十九日まで7回お坊さんを呼んでお経をあげてもらうのですが、近年は簡略化して初七日と四十九日のみということがほとんどでしょう。
そして、初七日も火葬のあとすぐに行うのが通例となっています。またすぐに集まるの大変ですからね。
ようやくここで精進落しと精進揚げの名前が出てきます。
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精進落しって?
まずは葬儀の関係でよく聞く精進落しから確認していきましょう。
亡くなった方の遺骨は四十九日に納骨するのがほとんどです。
これは亡くなった方が7つの関所をめぐりどこに行くかが決まることから来ています。
この四十九日までは御遺族は「忌中」となり、その間は行動をなるべく控え、食事も肉や魚などを食べずにいることが習わしです。が、現代人そんな呑気なこと言ってられません。
会社は一等親でも7日しか休みはくれません。むしろ7日も貰えたらラッキーです。
世の中には「何で事前にわからないんですか」なんてわけのわからないことを言われて嫌々休みを渡されるみたいな、よっぽどこっちが地獄だななんてこともあります。辛い。
仕事はしなきゃいけないし、食事だって子供は給食に絶対に肉か魚出るし大人だって上司に付き合わせれれば食べざるを得ません。
なので、今は精進落しは四十九日ではなく、初七日法要の時にお坊さんや親族と食べる食事を「精進落し」と言うことが一般的になっています。
精進揚げは?
じゃぁ精進揚げは何?ということですが、これは精進料理をいただくこと、もしくはその料理のことを言います。
精進料理は言わずもがな肉や魚などを使わない料理です。
本来四十九日までの間は肉や魚を食べませんので、精進料理を食べることになります。
よく、野菜の天麩羅を精進揚げって言いますよね。つまり、そういうことです。
あと、地域によってですが、漢字違いの「精進上げ」やひらがなの「精進あげ」というものもあり、これは「精進落し」と同じ意味合いになります。
書く字が違うだけで意味が大きく変わります。
もし耳だけで「しょうじんあげ」と聞いたら、それはどっちのことなのか地域によっては確認したほうがいいかもしれません。
まとめ
精進落しと精進揚げの違い、わかりましたでしょうか。
両方共葬儀に関わる言葉ではありますが、精進料理を食べる精進揚げと精進料理から普通の食事に戻す精進落しでは丸っと意味が異なります。
さらに精進揚げではなく精進上げだと精進落しと同じ意味になることもあるなど、ちょっと複雑です。
ほとんどのところでは別の意味で使われていますので、そちらで覚えておけばとりあえずは大丈夫だと思います。
葬儀のあれこれは知っておかないと、いざという時は冷静じゃありませんので意味を調べたりとかはなかなかその時には出来ないと思います。
ぜひこの機会に一度勉強してみてはいかがでしょうか。